香典返しはいつ行う?最適なタイミングと注意点を詳しく解説

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香典返しはいつ行う?最適なタイミングと注意点を詳しく解説

香典返しとは、通夜・葬儀・告別式で故人にお供えをいただいたご厚意に対してお返しの贈りものです。ご厚意には、香典・玉ぐし料・お花料・お供えなどが該当します。お悔やみいただいた方々へ、弔事を滞りなく無事に終えたこと、また感謝の気持ちをお伝えする意味もあります。

弔事では必ず耳にする言葉ではありますが、いざ執り行う側になると「香典返しはいつ贈るものなのか?」と不安に思っている方も多いでしょう。香典返しの時期は、宗教・親族間の決まり事・地域独特のルールなど、すべてが同じわけではありません。

ここでは、香典返しをいつ贈るのか、最適なタイミングや注意点を詳しく解説していきましょう。

香典返しはいつ行う?基本的な意味と流れ

香典返しとは、故人への「香典(不祝儀)」をいただいた際、お返しする品物のことを指します。

日本の文化・仏式では普通に行われる、いただいた弔意に対して遺族側からの返礼品ですが、実際香典返しはいつおこなうのがベストなのでしょうか。また、基本的な意味とおおまかな流れを紹介していきます。

香典返しの意味と目的

  • 香典返しとは?

香典返しとは、通夜や葬儀・告別式の参列者からいただいた香典に対して、お礼の品物を返すこと(返礼品)をいいます。なお、返礼品自体を香典返しと呼ぶこともあります。

本来香典は、参列者から遺族へ贈られる金銭のことをいい「大切な家族を失った遺族の悲しみを慰め、励ます」の意味や、突然の出費を助け合う目的があります。

香典返しは、参列者への感謝を伝えるのはもちろん、無事に四十九日の法要が終わったことを報告する意味も込められています。

  • 香典返しと会葬御礼の違い

先述のとおり、香典返しは参列者からいただいた香典に対する返礼品であることがわかりました。基本的には香典をいただかない限り、香典返しを贈る必要はありません。

一方会葬御礼は、足を運んでいただいた弔問客に感謝を込めてお渡しする贈りもののことを指します。

香典の有無にかかわらず、葬儀の参列者全員にわたすのがルールです。タオルやコーヒーなどが定番ですが、葬儀当日に渡すためかさばらないような品物を用意することがあります。

このような会葬御礼と香典返しは間違われやすいため、気をつけましょう。

  • 現在の香典返しの主流になっている「当日返し(即日返し)」

香典返しは、本来忌明け法要が無事終えたことを報告するとともに、感謝の気持ちを伝える返礼品をいい、香典をいただいてから配送するものでした。

しかし、最近では配送の手間を省けるうえ、手数料もかからず遺族の負担を軽くできる「当日返し(即日返し)」という方法で香典返しをおこなうことが増えてきています。

香典返しの一般的な習慣と流れ

香典返しはいつからあった?

香典返しの習慣は故人およびご遺族への哀悼の気持ちで贈られた香典に対し、遺族が故人の冥福とともに、感謝の気持ちをあらわす日本特有の風習です。

古くは江戸時代から、逝去の知らせが届いた際、故人様のご霊前へ香の物(お線香等)やお供物を届ける習わしがありました。当時は現金ではなく、米をはじめとする生活必需品を香典として贈ることが一般的でした。

その後ご霊前へお供えるものは、香典・お花・お供え物と区分けされるようになり、香典とは故人の冥福を祈り、葬儀の際にご近所の方々や、ご親戚の方々がご霊前に供える金銭のことをいうようになります。

以前は葬儀を執り行うことに対して相互扶助的な意味合いが強く、香典のなかから葬儀費用をまかない、参列者の方には香典のお返しとして、金額の半分程度を香典返しとしてお返しするというのが慣習となってきました。

それから時代は進み、現金を香典として捧げる習慣が定着し、それに対して返礼品として香典返しがおこなわれるようになっています。香典返しは返礼品を贈るだけではなく、大切なのは故人への尊敬と香典返しをいただいた方への感謝の気持ちです。

一般的な香典返しを贈るまでの流れ

家族や身内が亡くなると、通夜・葬儀とはじまり、その後の法要まで多くをおこないます。地域や宗派、故人や遺族の考え方によっても異なりますが、今回は仏式での一般的な流れを紹介しましょう。

◇家族や身内が亡くなった場合

まずは、亡くなったことを親戚や近親者へ連絡し次のことを進めます。

1.喪主の決定

故人に一番近い血縁者が一般的に喪主を務めます。
夫婦の場合は配偶者、その次に長男の順に決めることが多いですが、急なこともあるので一概に紹介した順番が絶対ではありません。

2.寺院への連絡

菩提寺(ぼだいじ)は、先祖代々お墓があるお寺のことをいいます。
こちらにまず連絡します。
菩提寺がわからないときは、葬儀社へ連絡し相談するようにしましょう。

3.葬儀社へ連絡

いくつか葬儀社を決めかねているのであれば、早めに決定して連絡をするようにしましょう。
突然の訃報の場合、葬儀社を決めていないことがあります。その場合は、ご遺体をずっと病院に置いておくわけにはいきません。家に運んでもらった葬儀社に必ずすべてを任せないといけないわけではないので、その後検討できることも知っておきましょう。

4.僧侶・葬儀社との打ち合わせ

僧侶・火葬場の状況・参列者の都合なども考慮し、通夜・葬儀・告別式の日程を決めます。また、葬儀社にはさらに通夜・葬儀・告別式の内容を細かく打ち合わせします。

◇香典返しのタイミングと法要のスケジュール

  • 通夜・告別式

通夜は亡くなった当日か翌日の夜に行うのが一般的です。近親者や親族などでおこなわれます。葬儀・告別式に参加できない方などは、通夜のみにいらっしゃいます。当日返しの場合、ここで香典返しをお渡しします。

その後、葬儀・告別式をおこない、そちらの参列者の方にも当日返しの場合は、香典返しをお渡しします。

  • 忌明けの法要

忌明け法要は命日を含めて7日毎の法要があります。

7日目:初七日(しょなのか)…最近では葬儀の日に行うことも多いです。
14日目:二七日(ふたなのか)
21日目:三七日(みなのか)
28日目:四七日(よなのか)
35日目:五七日(いつなのか・ごしちにち)
49日目:七七日(なななぬかき・しちしちにちき)

一般的に四十九日(しじゅうくにち)と呼ばれている日が忌明けとされ、別名「満中陰(まんちゅういん)」「大練忌(だいれんき)」と呼ばれ、無事に葬儀や法要が終わったことの連絡と、いただいた香典へのお礼を兼ねて香典返しを贈ります。これが昔からおこなわれている「後返し」と呼ばれる香典返しです。

香典返しは、通夜や葬儀・告別式当日に渡す「当日返し(即日返し)」と四十九日の法要後お渡しする後返しでは、お渡しするタイミングが違います。

最近では当日返しが主流ですが、香典の額が多く半返しに足りていない場合など、あらためて香典返しを贈る必要もあります。その場合、後返しのタイミングで不足した香典返しを贈るようにしましょう。

法要はその後、100日目に百ヶ日(ひゃっかにち)法要、年忌法要として満一年経った日に「一周忌」、二年目に「三回忌」以降は数え年で六年目に「七回忌」、十三回忌…と続きます。法要も参考にしてください。

香典返しはいつ行うのがベストか

香典返しの基本的なマナーや、香典返しを贈る意味などを解説してきました。では、香典返しをおこなうベストなタイミングはいつがよいのでしょうか。香典返しは当日返しと後返しがあり、どちらのタイミングもいつがベストか解説していきます。

当日返し(即日返し)と後返しの違い

香典返しには、通夜・葬儀当日にお渡しする返礼品の当日返し(即日返し)と、四十九日後に香典返しを贈る後返しの二種類があります。この2つの違いを解説していきましょう。

最近主流となっている当日返し(即日返し)

最近では、通夜や葬儀の当日に「会葬御礼」と一緒に、香典返しの品物を渡すことも多いです。忌明け法要後の香典返しを「後返し」というのに対して「当日返し(即日返し)」といわれています。

当日返しは、土地が広いので親戚が頻繁に集まることが難しかった北海道や東北地方で始まったといわれていますが、最近では関東・中部地方でも多くなっています。一方、関西では昔からの後返しが多い傾向にあります。

香典が高額で、用意していた香典返しの返礼品では十分お返しにならない場合、忌明け後にあらためて香典返しの品物を贈るのが一般的とされています。

昔から続いている後返しの文化

香典返しは、遺族が喪に服す期間が終わる「忌明け」の法要後に贈るのが一般的です。法要を無事終えたことを報告する挨拶状・お礼状を添えて、香典返しの品物を贈るのが基本的な後返しです。

後返しで香典返しを贈る時期は、法要後から1ヶ月以内が目安ですが、お礼は早いほうがよいという考えから法要後すぐに贈る方が多いです。しかし、忌明けは宗派によって違うこともありますので、忌明け前に贈らないように注意が必要です。

香典返しをしない場合、忌明け法要後にお礼を伝えるために挨拶状・お礼状を贈るのが一般的なマナーです。品物ではなくとも礼を尽くすようにしましょう。

地域や宗教による違い

先述でもあったように、葬儀や法事なども現代では簡略化されています。当日返しが主流になってきている理由には「手間が少ない」「参列者の方への配慮」などがあります。

元は北海道での弔事ごとで親族が集まる際、雪が降って足元が悪いなか、土地の広い地域では難しいことから、簡略化されたことが由来とされています。

そこから、東北地方・北陸地方・関東地方・中部地方と当日返しの文化が広がり、今では香典返しの主流になっています。

また関西では、当日返しよりも後返しの文化が残っている地域が多いのも事実です。しかし、最近では関西地方でも、当日返しをしているところも多く、香典返しの形式も時代とともに変わってきているといえるでしょう。

  • 宗教による香典返しの違い

仏式

日本の葬儀で使われるのが仏式ですが、仏式では故人が亡くなられた日から49日目の「七七日忌」で忌明けとなり、法要が執り行われます。その後、香典返しをするのが一般的です。

ただし、亡くなったタイミングによって、四十九日法要まで3ヶ月またぐことがあります。これを「三月またぎ(みつきまたぎ)」といい、三月→身につく→49が身につく→始終苦が付くということから縁起が悪いとされ、四十九日法要を35日目に繰り上げ、この場合は35日以降に香典返しをします。

神式

神式で行われる葬儀は、日本の宗教のひとつである「神道」の考えに則って執り行われます。霊祭が仏教でいう法要になり、葬儀の翌日に翌日祭、亡くなってから10日ごとに十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭と10日刻みで霊祭が続き、五十日祭が忌明けにあたります。その後1ヶ月以内に香典返しを贈るのが一般的です。

キリスト教式

キリスト教では「忌明け」や「香典返し」の習慣がありませんが、葬儀でいただいた弔慰金・お花料・御霊前・ミサ料の返礼品を用意することは通例となっています。

忌明けの時期は、同じキリスト教でもプロテスタントとカトリックに分かれ、プロテスタントでは1ヶ月後の召天記念日の後、カトリックでは30日目の追悼ミサ後に香典返しを贈るのが一般的とされています。

【香典返しはいつ?】香典返しの挨拶状の書き方

香典返しを贈る際、いっしょに挨拶状をつけるのが一般的です。また、香典返しを辞退されたお相手にも、法要が無事済んだことやお礼の意味も含めて挨拶状を贈るようにするのが基本的なマナーとしてよいでしょう。ここでは、そんな香典返しの挨拶状の書き方を解説していきます。

香典返しの挨拶状での基本的なマナー

◇お礼状の種類

香典返しでのお礼状は、格式の高い「奉書」です。巻紙とも呼ばれ和紙を用いて作られています。他にもカード状のお礼状は略式挨拶状とも呼ばれ、折りたんだハガキサイズやカードタイプのものを指します。最近ではカード式を選ぶ方が多いです。

一般的なハガキの挨拶状もあり、格は下がりますがハガキのみで送る際によく用いられます。

◇挨拶状で使ってはいけない言葉とは?

挨拶状では、句読点を使わないのが基本的なマナーです。葬儀や法要が滞りなく終わるようにという意味があります。「、」の代わりに空白を「。」の代わりに改行をするようにします。

また、不幸が続くことや不吉な出来事を連想させる言葉を「忌み言葉」といい「去る」「終わる」などマイナスな言葉などがあります。「たびたび」「ますます」などの重ね言葉も、不幸が重なるという意味がありますので使わないようにしましょう。

◇香典返しといっしょに贈る挨拶状の基本的な構成

挨拶状の種類や文章内で使ってはいけない言葉などを知ったら、次は実際の挨拶状の構成を一緒にみていきましょう。

  1. 香典のお礼
  2. 戒名・無事四十九日法要が済んだ報告
  3. 故人との生前のおつきあいのお礼
  4. 香典返しの品物を贈る報告
  5. 略式で済ませることへのお詫び

順番に書いていくと難しいと思われている挨拶状も簡単に書けるでしょう。

◇挨拶状を書くときに抑えたいポイント

  1. 「拝啓/敬具」といった頭語/結語を使う
  2. 季節の挨拶を入れない
  3. 「逝去」は故人に対する敬語となるので身内には使わない
  4. 便箋は1枚、二重封筒は使わない
  5. 濃墨を使う

先述にある、句読点や重ね言葉や忌み言葉ももちろん使ってはいけません。墨の色は地域によって、薄墨を使うところもあります。涙で墨が滲んでしまうという意味から、法要が済めば濃墨にする地域が多いです。

また、パソコン作成でもできるので、プリントアウトした挨拶状でもマナー違反になりませんが、故人が親しかった方や、ご自身が親しくされている方には手書きで送りたいと思うのであれば手書きもよいです。さまざまな想いがあると思いますが、長文になることを避け文章は簡潔にしましょう。

挨拶状の例文

挨拶状の基本的なマナーを紹介してきましたが、実際にどのように書いたらよいのかわからない方へ基本的な例文を紹介します。挨拶状を書く際に参考にしてください。

◇基本的な挨拶状の例文

謹啓

先般(続柄)○○(俗名)○○○○永眠の際には
ご丁重なご弔詞をいただき かつ又ご芳志を賜りまして誠に有難く
厚く御礼申し上げます                
本日(忌日)○○日忌の法要を営みましたので
供養のしるしまでに 心ばかりの品をお届け申し上げました
どうぞお納めくださいますようお願い申し上げます
書面にて失礼ではございますが まずはお礼かたがたご挨拶申し上げます

敬具
日付〇〇年〇〇月〇〇日
喪主名〇〇 〇〇

◇親しい方へ固くない挨拶状例文

拝啓

亡父 (名前)儀 葬儀に際してはお心のこもったお悔やみの言葉をはじめ 過分なお心配りをいただきありがとうございました
おかげさまで(戒名)四十九日の法要を相営みました
生前のご厚誼に関してあらためてお礼申し上げます
ささやかではございますが 感謝の気持ちを込めて心ばかりの品物をお送りいたします
まずは 略儀ながら書中をもって御礼のご挨拶とさせていただきます

敬具
日付〇〇年〇〇月〇〇日
喪主名〇〇 〇〇

基本と固くなっていない例文を2つ挙げました。参考にしてください。

挨拶状を常に書くような方はいらっしゃいません。難しいと思ったり、お相手に失礼があったらと不安になるかもしれませんが、挨拶状は感謝の気持ちを伝えたり、法要が済んだ報告をするお知らせでもあります。難しく考えず、故人の思いを尊重した文面にするとよいでしょう。

【香典返しはいつ?】ふさわしい品物の選び方

香典返しをいつ贈るのかが分かったら、次にふさわしい品物を選んでいきましょう。香典返しの品物は、一般的に「消えもの」と言われる食品や消耗品が一般的です。

これは、いただいた香典返しの品物を「不祝儀を残さないように」という考えから後に残らない品物を贈るのが一般的な香典返しの品物とされるようになりました。

香典返しにおすすめの定番ギフト

香典返しの品物は消えものがよいと言われていますが、どの世代にも受けがよい品物は「グルメ」や「スイーツ」などの詰め合わせセットや、タオルのセットも消耗品として大変人気があります。

また、タオルセットは「今治タオル」など、国内の有名ブランドやメーカーの品物は人気があります。弔事・慶事のどちらでも使えるので贈りものの定番といってもよいでしょう。

なかでも、有名ブランドや老舗のグルメやスイーツは、普段自分で買うことがないケースが多いため、喜ばれるギフトセットです。香典返しのギフトですので、華やかな梱包の品物よりも上品な木箱に入っているものや、風呂敷包みのものなどを選ぶようにするとよいでしょう。

最近急上昇しているのが、ドライフードのお味噌汁や、雑炊・乾物など非常食として置いておけるものです。贈って喜ばれるメリットと「あって困らない」「備えておけるもの」などは香典返しの品物としておすすめです。

今では定番のカタログギフト

香典返しのギフトでも、カタログギフトは品物選びに悩んでしまったときにもおすすめです。カタログギフトは贈られた相手が自分の好みで品物を選ぶことができるメリットがあり人気を集めています。

今では、香典返し(弔事専用)専門のカタログギフトや和牛専門のカタログギフトなど、様々なジャンルのカタログギフトがあります。お相手の趣味や好みに合わせたカタログギフトを選ぶこともできるので、贈った方に喜んでいただけるのも魅力の一つです。

カタログギフトだけでは味気ないという場合には、グルメ・お菓子・タオルなどをセットにされる方もいらっしゃいます。お品物が2つにならないようにAtelier GIFTでは、専門オリジナルのお箱がありますので2品以上のセットのご相談もたまわっています。

香典返しにふさわしい品物がいつでも見つかる「Atelier GIFT」

香典返しを贈る時期はいつなのかわからなかった方や、香典返しの基本的なマナーや注意点なども紹介してきましたが、急な準備が必要になることが多いです。そんなときには、Atelier GIFTのギフトコンシェルジュにお気軽にご相談ください。

長年のギフトの知見を活かして「香典返しをいつ贈るのかわからない」「葬儀が初めてで知りたいマナー」等どんな悩みや質問などにもご対応いたします。

Atelier GIFTでは、香典返しにふさわしいグルメ・スイーツ・タオル・カタログギフト等さまざまなジャンルの贈り物をご用意しています。オリジナルの外箱や包装紙と合わせて、想いの伝わる贈り物のお手伝いをさせていただきます。

香典返しをいつ行うかについてよくある質問

「香典返しをいつおこなうか」に関してよくある質問をいくつか集めてみました。香典返しのタイミングでお悩みの方も、ぜひこちらのQ&Aを参考にしてみてください。

香典返しは郵送してもよいですか?

香典返しは、昔からの習わしで、昔は喪主が香典をいただいた方々の元へ伺って直接手渡しするのが主流でした。

しかし、時代の流れのなかで生活スタイルの変化や遠方に住んでいる方への配慮から、最近では郵送で香典返しを贈ることは一般的になっており、マナー違反ではありません。

また、品物だけを贈るのは味気ないと思う方も多いでしょう。感謝の気持ちやお礼の気持ちを丁寧に伝えたい場合、挨拶状やお礼状などを添えるのがよいです。また、手紙を添えたりお電話をするのもおすすめです。

香典返しを辞退されたときの対応は何ですか?

香典をくださる方のなかには、遺族の負担に配慮し、香典返しの受取を辞退されることもあります。この場合、無理に香典返しを贈る必要はありません。

お相手の気持ちをありがたくご厚意としていただきましょう。また、品物を贈らない場合でも感謝の気持ちを伝えることは大切です。忌明けには必ずお礼状・挨拶状を送るようにしましょう。

また、香典返しを辞退される方の多くは、高額の香典を入れてくださっていることが多いです。香典返し以外のお中元やお歳暮など、お礼を伝える機会に感謝の気持ちを伝えるのもおすすめです。

参列はなく現金書留で香典を頂いた方への香典返し

現金書留でいただいた香典は、参列はなくとも香典返しをしましょう。いつ送るのか不安に思うかもしれませんが、通常通り四十九日を過ぎた忌明け後に半返しで贈るのが一般的なマナーです。

もし、四十九日後に贈られてきた書留の香典に関してはすみやかに香典返しを贈るようにしましょう。ただし、どちらの場合でも、無事に香典が届いたことの報告とお礼の連絡はすぐに入れるようにしましょう。

告別式の後に郵送できた香典にお返しをすぐに送るのは失礼ですか?

告別式が終わってから届いた香典に対して、まずはお礼の連絡をしましょう。電話でもメールでも構いません。香典が無事に届いたことをお相手に伝えるのは早いほうがよいです。

しかし、香典返しには、返礼品をお渡しするだけではなく「四十九日の法要を無事に終わらせることができました。」という報告の意味もあります。

「香典が届きました。ありがとうございます。」という連絡は早めに、香典返しは忌明け後にするのが一般的なマナーです。急いで香典返しをする必要はないでしょう。

香典返しが遅れてしまって失礼にならない対処法はありますか?

香典返しを贈る時期には明確な起源があるわけではないため、数週間の遅れならば特別な対応は不要です。

一方、それ以上遅れてしまうとお相手に心配をかける可能性も否めません。そのため1ヶ月以上遅れてしまった場合は、挨拶状に香典返しが遅くなったことへのお詫びを書き添えるようにすると、お相手も安心な上に丁寧な対応になります。

まとめ

「香典返しを贈るならベストはいつ?」の質問に対しての回答は、当日返しと後返しでは変わってしまうということになります。基本は当日返しならその日、後返しは忌明け後1ヶ月以内とだということを理解しましょう。

また、香典返しには挨拶状・お礼状をつけるとさらに丁寧になりますので、香典返しの準備をいつからするのかも大切になってきます。

前もって用意するのであれば、価格帯もわかりやすくのしや挨拶状まで手配してくれるネットでの購入がおすすめ。忙しいときだからこそ、便利なシステムを利用してみるのもよいでしょう。香典返しを今お考えの方も、これからの準備段階でも一般的な流れを知っておくとよいです。何より、故人の想いを大切にできる香典返しを心がけましょう。