親族に渡す香典返しの相場を関係別に詳しく解説

香典返し/

親族に渡す香典返しの相場を関係別に詳しく解説

親族に不幸があったときにいただく香典ですが、香典返しを贈るのが一般的なマナーです。

しかし、自分の親族の場合、香典返しはどこまで出すか悩んでいる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。普段から交流のない親族は、関係性がわからなく困ってしまうこともありますよね。

また、「親族」という立場や関係性は枝分かれが多く、普段から付き合いがあるから贈るべきではないのか、贈るべきなのか判断が難しく悩んでしまいます。

この記事では、親族の香典返しのマナーや相場を関係性ごとに詳しく解説していきます。

親族からもらった香典にお返しはいらない?

親族からもらった香典
  • 「家族だから大丈夫」という思いではなく、きちんとお返しを考えることが大切

香典をくださった方が子どもや兄弟など近い関係性の親族であっても、香典返しは贈るのが一般的とされています。

なぜなら、香典返しは香典をいただいたお礼だけではなく、忌明け(四十九日)を無事に迎えることができた報告も兼ねているからです。

家族・親族だからという気持ちもわかりますが、お返しを通して報告や気持ちの区切りを付けていると考えることも大切ですね。

ただし、例外として一族の取り決めが存在する場合があります。他にも親族であっても地域の風習が優先されるケースもあるので、しっかり事前に確認し、臨機応変に対応することも必要でしょう。

  • 香典返しは家単位で贈るので同じ家に住んでいる親族への香典返しはしない

香典返しは一般的に家単位で贈ります。喪主・施主の配偶者や、同居の子供や孫など一緒に住む親族に香典返しを贈る必要はありません。

ただし、故人と同居していたとしても、二世帯住宅や生計を別にしていて、葬儀や法要で喪主・施主を務めない場合、一般的に香典を出すので香典返しを用意するようにしましょう。

親族へ渡す香典返しの相場は「半返し~1/3返し」

親族への香典返しの相場は、半返しから1/3返しが一般的です。親族だからといって、安く設定したり、逆に高く設定するのもよくないでしょう。

香典の額はあくまでも相場なので、故人の生前の付き合いや、親族の関係性によっても変わります。いただいた額が少なかったり、多かった場合もお気持ちなので、香典返しの相場を基準にお返しの額を決めて問題ありません。

【親族との関係別】香典返しの相場一覧

香典返しの相場
  • 相場は基本的に一般的なものなので無理のない範囲で香典返しをしよう

親族と一言でいっても、関係性の深さや世代などさまざまです。一般的に香典をいただく親族は、三親等(※)までといわれています。

※三親等:曽祖父母・祖父母・父母・子・孫・ひ孫・兄弟姉妹・甥・姪・おじ・おば

今回紹介するのはあくまでも香典返しの相場なので、無理のない範囲でお返しをするようにしましょう。

事前に準備が必要な場合、親族から贈られる香典の相場を知っておくことで、香典返しの額を予想できます。

また、お花や果物などのお供えものは香典返しの対象になりません。

例えば、3,000円程度のお供えものと1万円の香典をいただいた場合、香典返しの金額は半返しの5,000円を目安にします。

1万円を超える高価なお供えものをいただいた場合、お供えものの金額の半返しを香典返しに加えることもあります。

ただし、3万円以上のとりわけ高価なお供えものをいただいた場合、香典返しの額が高額になってしまい、かえって気を遣わせてしまうことがあります。そういった場合は、1/4〜1/3程度の金額の品物でお返しするといいでしょう。

  • 親族への香典返しの相場をわかりやすく表で紹介

親族からいただく香典の相場と、香典返しの相場を表で紹介していきます。

親族の続柄香典の相場香典返しの相場
祖父母1~5万円5,000~15,000円
両親・義両親3~10万円15,000~30,000円
兄弟姉妹3~5万円10,000~15,000円
甥姪1~5万円5,000~15,000円
叔父叔母1~3万円5,000~15,000円
従兄弟3,000~3万円1,500~15,000円

このように、半返しや1/3の額にすることがマナーとして無難です。例えば、1万円なら5,000円程度の品物を、3万円なら15,000程度の品物を選ぶようにするといいでしょう。

ただし、故人や遺族との関係でお返しの金額が相場より上下する場合もあります。

故人や遺族との関係性が深い場合、親族から相場よりも多めの金額で香典をいただくケースもありますが、半返しにしてしまうと香典をくださった親族の方に気を使わせてしまい、かえって失礼になるかのしれないので高額な香典返しにならないように注意しましょう。

親族へ葬儀当日に香典返しを渡す「当日返し」の相場

「当日返し」の香典返し
  • 当日返しの相場は、2,000〜3,000円程度が一般的

葬儀当日に香典返しを渡すときのお返しを「当日返し」といいます。一般的な香典の相場が5,000円〜1万円といわれているので、当日返しの相場は2,000〜3,000円程度とされています。参列してくださった方全員にお渡しするのがマナーとなっています。これは親族への香典返しも同じです。

ただ当日返しの場合、葬儀への出席者数を想定し、同じものを用意して参列者の方にお渡しします。当日返しはいただく金額がわかってから用意することができないので、相場に基づいた正確な額の香典返しを贈ることができません。

  • 高額な香典を親族から贈られた場合はどうしたらいい?

例えば香典を1万円以上いただいた場合、2,000〜3,000円程度の香典返しでは足りない場合があります。香典をいただいた方や、香典返しが足りなくお渡しできていない方をリストアップし、四十九日が終わってから後日(約一ヶ月以内)お渡しする、もしくは郵送すれば問題ありません。

また親族の場合、高額な香典には遺族への支援の気持ちが込められていることがあります。こういった場合に半返しをすると、相手の厚意を無駄にしてしまいかねません。

このような場合、いただいた金額の1/3〜1/4の香典返しを贈りましょう。

親族へ渡す香典返しの相場は年長者に聞くのがベスト

香典返しの相場は先述でもありましたが、香典返しでも親族間で例外なこともあります。ここでは、親族間での香典返しの相場でも例外のケースを紹介していきましょう。

  • いただいた香典が高額だった場合

親族から香典をいただいた際、相場よりも高額な場合があります。この場合、後に残された遺族のことを考えて多めに包んでくれているケースが多いです。

一般的に5万円以上の香典は高額とされています。半返しを考えると、3万円弱のものになり、遺族側も負担になることもあります。また、香典をいただいた親族に対しても失礼にあたることもあるので、高額な香典の場合は香典の1/3〜1/4程度のものを返すようにするといいでしょう。

例)
10万円→25,000~35,000円程度の品物
5万円→15,000~17,000円程度の品物

高額な香典をしてくれている感謝の気持ちも込めて、品物には必ずお礼状を一緒に贈りましょう。香典を渡した親族も、相場どおりの高額な香典返しを期待する人も少ないはずです。可能な範囲の香典返しをして、感謝の気持ちを伝えることが大切ですね。

また、いただいた金額が大きいからといって、お金や金券などで返すのは、「いただいたものを突き返す」という意味で失礼にあたるのでやめましょう。

  • 香典を辞退された場合はどうしたらいい?

最近では、家族葬を執り行う遺族の方も多いですよね。その場合、喪主から「香典はいらない」といわれることもあり、参列はしていいのか、お供えものは出したほうがいいのか不明瞭に感じることもあるでしょう。

その際は、会場案内などの通知をみてみましょう。香典辞退の文面によって、参加にあたってどういった対応が求められているのかを理解できます。

◇「ご厚意辞退申し上げます」
香典や供花・供物などを一切遠慮させていただくという意味です。参列するだけで何も用意する必要はありません。
参列できない場合、後日弔問などでも弔意をしめすのがマナーとなります。

◇「供花・供物の儀はご辞退申し上げます」
香典以外のものを遠慮しますという意味です。この場合、香典を持参することは問題ありません。

案内状などでどちらか判断できない場合、直接遺族へ聞くわけにはいかないと思うので、他の親族に聞くか、葬儀を執り行う会社へ問い合わせするといいでしょう。

また、香典辞退をされている場合、親族は無理に香典やお供えものなどを贈ることは控え、遺族のご意向を尊重しましょう。親族として、複雑な気持ちになるかもしれませんが、故人や遺族への弔意の気持ちは、なにかを渡すことだけではありません。遺族の意向を汲んで、負担になることはしないのもマナーのひとつといえます。

  • 参列自体を辞退される場合

訃報の連絡が家族葬の後で、親族でも、参列できなかった場合は葬儀後の弔問を伺ってみましょう。

事前に遺族の意向や都合を必ず確認します。しかし、この場合は弔問も辞退されることがあります。もちろん、香典なども辞退されることが多いので、必ず確認をして香典や弔問をしたいという意向を遺族に伝えましょう。

  • 親族の中で香典返しのルールが決められている場合

親族の中では、昔から弔事での決まりやしきたりなどルールがある場合も少なくはありません。

◯「親族間では香典返しをしない」
◯「半返しを必ずおこなう」

など間逆なこともあるので、親族間のルールは必ず調べておきましょう。

  • 地域での香典返しの違い

同じ日本でも、地域によってマナーが違うこともあります。実際にいくつか香典返しのマナーを紹介します。

◇関東地方
いただいた金額の半額を返す「半返し」が一般的とされています。また、「当日返し」も一般的です。

◇関西地方
関西では葬儀の日に粗供養として、500〜1,000円程度の品物を「志」の表書きで渡します。香典返しは四十九日後、改めて半返しを目安に「満中陰志」の表書きで贈ります。

◇千葉県銚子市
千葉県銚子市を中心とした東総地域では、香典の「当日返し」を現金でおこなうしきたりがあります。香典返しや当日返しの品に、「志」という表書きをした不祝儀袋に現金を渡します。全国でも珍しい習慣です。

◇北海道
北海道は、親族が集まって葬儀を済ませた後、その日に四十九日を執り行うという風習があり、「当日返し」にします。
理由は北海道は土地が広いため、親戚が集まる機会が少ないことで、同時に済ませておこうという意味があります。

このように、地域によって親族間における香典返しの風習はさまざまです。マナーを守ったつもりが逆に失礼にあたっていたということにもなりかねません。地域の風習に加え、親族間のルールなどがあるのも事実です。

わからないことは周囲の年長者に意見を聞いてみましょう。また、地域の風習やルールに沿って香典返しを贈るのが一般的です。事前に周囲の方々に習わしなどを聞いておくようにしましょう。

親族へ渡す香典返しの相場に関するよくある質問

Q1:先日、親が亡くなり家族葬をおこないました。
金銭的に余裕がないことを知っている親戚が香典を多く包んでくれました。
香典返しは参列者の方々、全員同じものを渡していますが、香典に対して香典返しの金額が低いので、別途改めて香典返しを贈るべきでしょうか。

A1:親戚の方からの配慮なので、お気持ちはいただいていいでしょう。
四十九日や一周忌など法要にはお金がかかります。
しかし、恩は恩なので義理を果たすという意味でも、お気持ちと挨拶状を添えるなどおこなったほうがいいでしょう。
いくらいただいたかにもよりますが、香典返しは1/2〜1/3の品が一般的といわれています。
5〜10万円など大金の場合、香典返しは1/3〜1/4程度のカタログギフトなどを贈っても失礼にはならないでしょう。

Q2:先日、父が亡くなりました。
母と叔母、兄兄弟と自分の家族で小さな家族葬をおこないました。しかし、父の訃報を知った親族からお香典が届きました。
母と親族の一覧を作り、香典返しの話をしていたところ、兄が「家族葬なのだから香典返しは必要ない。」と言われました。
しかし、マナーとして香典をいただいたら返すものではないでしょうか。
家族葬で身内だけや密葬の場合、いただいた香典のお返しは必要ないのでしょうか?

A2:家族葬や身内だけのお葬式だったとしても、香典をいただいたら香典返しをするのがマナーです。
一般的に香典を受け取らない場合、その旨を伝えたうえで家族葬をおこないます。
改めて親族で会食をしたりすることがあれば報告もできますが、そういった旨を伝える時間がない場合、どうしても香典を受け取らないといけないケースがあります。
何の連絡もないのであれば、香典を贈る親族の方が多いでしょう。
香典返しを受け取らないという辞退はマナーとしてありますが、香典をいただいて返さないということはよくないですね。
親族だから、家族葬だから、伝えていなかったからではなく、香典返しは親族の方から辞退がない場合おこないましょう。
いただいた香典には故人を悼む気持ちがあります。
そのお気持ちに対して香典返しがあります。
親族のお心へのお返しと伝えればお兄様も納得いただけるでしょう。

Q3:今年の春、夫の祖母が亡くなり夫婦で参列しました。
葬儀には私の両親も参列してくれ、香典で1万円を包んだそうです。
しかし、両親のところへ四十九日を過ぎても香典返しが来ていないと言われました。
私達夫婦は、お礼状とカタログギフトを喪主名義でいただきました。
私の両親と亡くなった祖母のご家族(義母の弟夫婦)とは、私達の結婚式で会ったことがあるくらいなのですが、腑に落ちない部分があります。
忘れてしまっているだけなのでしょうか。それとも遠い親族は香典返しをしないのでしょうか。
催促するものではないと思いますが、義母を通して尋ねてみた方がいいでしょうか。
今後のことを考えても触れないほうが懸命でしょうか?

A3:質問者の方に贈っているのであれば、ご両親への香典返しもあるものですね。
腑に落ちない部分もあるとおもいますが、葬儀に参列した際に当日に香典返しを渡されていないでしょうか。
葬儀では、お茶やお菓子など2,000〜3,000円程度の品物を香典返しとして参列してくださった方に渡します。
一般的に1万円の香典返しはこの2,000〜3,000円程度の品物とその日のお食事などでお返しとして成り立っているかと思います。
マナーとして、香典返しの催促なども推奨されていません。
お悔やみの気持ちが大切なので、ご両親へのお心配りとして足りない部分はあるかもしれませんが、申し立てるほど失礼なことをされているわけでもありません。
ご本人から失礼なことではないとお話して、ご納得いただけるのが一番でしょう。

Q4:四十九日の席で、親戚から「もらいっぱなしでは失礼だよ。」と注意を受けました。
葬儀で多く包まれた親族のことをいっているのだろうと思い、2万円包まれた親族の香典に対し、当日返し5,000円相当の品物とは別に、1万円相当のお返しをと検討していますが、相場はどのくらいなのでしょうか。

A4:香典返しを当日返しにする方が増えてきましたが、元々は当日は会葬お礼だけで、後日香典返しを贈る風習がありました。
香典返しを贈るタイミングは、四十九日を終えたタイミングです。香典返しには品物といっしょに香典のお礼を一緒に、四十九日の法要を無事終えた報告も書きます。ということは、四十九日の法要の席で、まだ香典返しを贈っていなくても遅いわけではありません。また、香典返しの相場は、半返し〜1/3返しとされています。
2万円の香典に対して、5,000円の当日返しと、別送の1万円相当の品物では多いかもしれないですね。
半返しと考えて多くても約1万円であれば、5,000円程度の品物でも失礼になりません。
もし、お住いの地域で四十九日以前に香典返しをしなければならない風習などがあれば、ご指摘があった親族の方に聞くのもいいですね。

Q5:母が亡くなり、直葬でしたが親族から香典をいただきました。
香典袋に住所や電話番号が書いてない方が何人かいて直接連絡を取るすべがなく、お気持ちはありがたかったのですが少し困っています。書かないのは香典返し不要等の意味合いがあるのでしょうか。単に忘れただけでしょうか。

A5:一般的に香典に住所がないことはありませんが、万が一連絡先の記載がない香典が合った場合は、お返しが要らないと言うメッセージです。
マナーは人それぞれですが、お心遣いと捉えてもいいでしょう。香典返しを行わないこともマナー違反ではありません。

まとめ

親族間での香典返し

親族間での香典返しの相場は、関係性や何親等などさまざまですが、一般的な金額やマナーを知って、気持ちのこもった香典返しをすることが一番大切なことがわかりました。

また、地域や親族の風習で選ぶ香典返しの金額や品物の相場も変わってきます。贈りたいという気持ちをギフトにできれば、贈る相手にも気持ちが伝わるはずです。

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