香典返しへのお礼は不要!手紙や電話で到着を報告しましょう

香典返し/

香典返しへのお礼は不要!手紙や電話で到着を報告しましょう

 香典返しをもらったときに、お礼の連絡をするかどうか迷ったことはありませんか?

 実は、香典返しをいただいた際のお礼は基本的に不要とされています。

 香典返しにお礼をすることは「お礼にお礼を重ねること」になり、不祝儀が重なることを連想させてしまうからです。しかし、お付き合いの程度によっては、香典返しを受け取ったことやお礼を伝えた方が良い場合もあります。

 こちらのページでは、いただいた香典返しへお礼をする場合のマナーについて詳しく解説。手紙や電話、メールを使った正しいお礼の方法や文例、お礼を伝える際の注意点を含め、贈り物のプロであるAtelier GIFT(アトリエギフト)のコンシェルジュがご紹介いたします。

香典返しにお礼は必要?基礎知識をご紹介

 まず、そもそも「香典」とは何かを基本から解説しましょう。

  • 香典とは、線香や抹香、お花の代わりにお悔やみの気持ちをこめてご霊前に供える金銭のことを指します。通夜あるいは告別式の際、香典袋という不祝儀用の水引を結んだ袋に入れて、参列者から遺族に対して手渡されます。
香典

 香典という名前の由来は、本来は香をすすめる、香を薫じて供えるという意味を持っていたことにあります。しかし、現在では亡くなった人のためというより、ご遺族のお葬式の負担を補うという相互扶助的な意味から、一般的にお金を包むようになりました。

 なお、包む金額は故人との関係性や地域の慣習によって変動します。例えば偶数や不吉な言葉を連想される金額は避けるべきとされているなど、決まり事も多いので包み方には注意が必要です。

一方で「香典返し」とは、香典に対し返礼として贈られる品のことです。香典返しの際は、香典としていただいた金額の半分程度を予算として品物を用意する場合が一般的と言えます。

香典返し

 そして、この香典返しには「無事に法要を終えて忌明けを迎えることができました」という弔事の一区切りを参列者に伝える意味も含まれています。

そのため、香典返しに対して更にお礼を重ねることは、弔事がひと段落しない、つまり「不幸が長引く」「不幸が重なる」というネガティブなイメージを連想させてしまうのです。

このように、弔事を一区切りにするという意味から、香典返しにお礼は不要とされています。

「お返しへのお返し」になるので香典返しにお礼は不要

 ここまでご説明した通り、香典返しへのお礼は不祝儀を重なることを連想させてしまうため、かえって失礼にあたります。

 しかし、親戚や職場関係の方々に一言お礼を伝えたいという場合は、一言香典返しが届いたという連絡を入れるようにしましょう。

 つまり、「○○をいただき、ありがとう」などの感謝の言葉ではなく、「香典返しが届いた連絡」と「労りの言葉」を簡潔に伝えることが肝心です。

 また、連絡の方法としては、手紙やはがき、電話、メールが挙げられます。相手との関係性に合わせた適切な手段で伝えましょう。

香典返しのお礼の代わりに「手紙」や「電話」で到着を伝える

香典返しのお礼の代わりに「手紙」や「電話」で到着を伝える

手紙やはがき

 手紙やはがきは、相手は受け取るだけなので負担をかけることなく報告ができる方法ですが、書き方や形式、マナーがあるため、ルールに沿って書く必要があります。また、手紙やはがきは到着までに時間がかかるため、香典返しが届いた翌日には投函することをお勧めします。

 手紙やはがきを書く際の注意点としては「重ね言葉」や「お礼の言葉」を使わず、「香典返しをきちんと受け取ったこと」と相手を労う「お見舞いの言葉」を伝わるように書くことが望ましいです。

 書き始めの時候の挨拶や、「拝啓」「敬具」といった頭語と結語は使わなくても構いませんが、頭語と結語はセットで使用するものなので、頭語を使うのであれば、必ず文末は結語で結びましょう。ただし、目上の相手には、「拝啓」「敬具」などの頭語と結語は使いましょう。

 香典返しのお礼で使用する手紙やはがきの種類について、厳しい決まりはありませんが、赤やピンクなどおめでたいイメージの色や、便箋の2枚重ねや2重封筒は避けた方が良いとされています。

●電話

 遠方に住んでいる親戚や、よく話をする相手には、香典返しが届いたことを迅速に報告できる電話で伝えるのも良いでしょう。

ただし、香典返しは忌明けのタイミングで送るため、香典をいただいた方へ一斉に送ることが多いため、自分だけでなく他の人にも届いている可能性が高いと考えられます。

その場合、香典返しが届いた報告の電話が集中してしまい、相手の時間を奪ってしまいます。長電話は控え、伝えたいことやNGワードをあらかじめメモしておくなど、事前にしっかりと準備してからかけましょう。

●メールやLINE

 香典返しのお礼をメールで伝えるメリットは、手軽に送れて相手の負担にもなりにくいことでしょう。

ただし、目上の方や年配の方にメールを送ると「軽すぎる」「失礼だ」という印象を持たれる可能性があるため、お勧めできません。一方で、普段からメールでやり取りしている友人であれば、香典返しのお礼をメールで伝えても問題ないとされています。

香典返しのお礼として手紙や電話をする際のマナー

<手紙やはがきの場合>

  • 「無事に香典返しが届いたこと」や「相手を労う言葉」を、簡潔にまとめましょう
  •  手紙やはがきは届くまでに時間がかかるため、香典返しが届いた翌日には投函しましょう
  • 「ありがとうございます」といった、直接的な感謝の言葉は失礼にあたるので使わないようにしましょう
  •  おめでたい色の便箋や封筒、便箋の2枚重ねや二重封筒は避けましょう
  •  句読点をつけないようにしましょう

<電話の場合>

  • 電話をする前に、あらかじめ伝える内容を整理し、相手の迷惑にならない時間帯にかけましょう
  • 「わざわざ」「重ね重ね」といった、不幸が続き、長引くようなイメージを与える重ね言葉は使わないようにしましょう
  • 長電話にならないように注意しましょう
  • 「ありがとうございます」といった、直接的な感謝の言葉は失礼にあたるので使わないようにしましょう

<メールやLINEの場合>

  • 句読点を使わないようにしましょう
  • 「メールで失礼します」「メールで失礼しました」など、最初か最後にひとことメールでご挨拶になることに断りをいれましょう
  • 相手の負担を減らすため「返信は不要です」といった一文を添えましょう
  • できるだけ簡潔に書きましょう

香典返しのお礼を伝えるメッセージの例

ペンとメッセージカード

<手紙やはがきの場合>

  • 一般的な文例
    「拝啓
    穏やかに秋が深まる頃 ○○様(ご家族様)におかれましては
    いかがお過ごしでしょうか
    さて本日お返しの品を頂戴しました
    大変な中 このようなお気遣いに恐縮しています
    お疲れの出る頃と存じます どうぞご自愛くださいませ
    略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます
    敬具
    令和○年〇月〇日」
  • 友人など親しい相手の場合
    「前略
    今日ご供養のお品が届きました
    お心配りを頂き 恐れ入ります
    季節の変わり目 どうぞ健康に留意してお過ごしくださいませ
    落ち着かれましたら またお茶でもご一緒しましょうね
    草々
    令和○年〇月〇日」

<電話の場合>

  • 今日、忌明けのご挨拶の品が届いたので、お電話いたしました。ご丁寧な品を、恐れ入ります。その後、ご家族の皆さんは、いかがお過ごしですか?
  • お返しの品をいただき、誠に恐れ入ります。その後、いかがお過ごしですか。

<メールやLINEの場合>

「こんにちは ○○(名前)です
 メールで失礼します
 今日 忌明けのお品物が届きました
 お気遣いにかえって恐縮しています
 その後どうしているかと思い メールしてみました
 いろいろと大変かもしれませんが 無理せずお体を大切にされてください
 返信は不要です」

香典返しを辞退したうえでいただいた場合もお礼は不要

香典返しを辞退したうえでいただいた場合もお礼は不要

 あらかじめ香典袋に香典返しを辞退する旨を書いて渡したり、受付で直接辞退を伝えておいたとしても、後日香典返しをいただく場合があります。そのような場合でも、香典返しのお礼は基本的に必要ありません。そのかわり香典返しが到着した連絡と、お見舞いの言葉を伝えるようにするとよいでしょう。

 伝える方法には、お見舞い状や挨拶状を手紙やはがきで送ったり、電話をかけるなどの方法があります。相手との関係などを考慮して、適切な方法を選ぶようにしましょう。

香典返しを辞退する理由

 香典返しを辞退する理由として、以下の3点が挙げられます。

  1. 遺族への配慮

    「残された家族に大きな負担をかけたくない」「葬儀の費用やこれからの生活の足しにしてほしい」など、遺族への思いやりの気持ちが辞退の理由として挙げられています
  2. 職場の仲間や友人、ご近所の方々がまとめて香典を贈った場合

    個人で香典を包むよりも、1人当たりの金額が少なくなることや、わざわざ労力をかけさせるのが申し訳ないという思いが辞退の理由として挙げられています。
  3. 規定で禁止されている

    コンプライアンスへの意識が高まる社会を背景に、政府関係や公的機関の方は贈答に慎重です。また、民間企業でも「一切の贈答品を禁止する」と厳しく規定していることから辞退の理由として挙げられています。
    香典返しを辞退する場合は、香典を渡すタイミングで伝えるのがマナーです。辞退の意思は、簡潔に確実に伝えることが必要です。

香典返しを辞退する方法

 香典返しを辞退する方法として、3点挙げられます。

  1. 香典袋や一筆箋に書き記す

     香典袋の中袋に辞退する意思を書き添える方法や、一筆箋やカードに辞意の意思を書き、香典袋に同封する方法があります。香典を整理するときに遺族の目に触れるよう、紙に書いて文字で残すようにしましょう。
     なお、香典袋に書き記してあっても、受付でお渡しする際に「お香典返しはご遠慮いたします。その旨、お香典袋にも記してございます」と伝えておくと、より丁寧です。
  2. 香典を渡すときに口頭で伝える

    香典を渡すときに、受付の方に「香典返しは不要」と伝える方法もあります。ただし、お通夜や葬儀当日は慌ただしく、受付の方がうっかりして遺族に伝え忘れる可能性があります。できれば、文字で書き記すことをおすすめします。
  3. 葬儀・告別式以外で香典をお渡しする場合

    ・郵送で香典を贈る場合
     同封するお悔やみのお手紙に辞意の意思を書き添えます。薄墨を使用する必要はありません。黒の万年筆かボールペンで書きましょう。

    ・香典を持参する場合
     お悔やみのご挨拶をした後に「お返しのお心遣いはなさらないでください」と直接お伝えするとよいでしょう。

香典返しを辞退する際の書き方や文例

<香典袋への書き方・文例>

 香典袋や香典袋の中袋には、たいてい住所や氏名を記入する欄があります。その余白に一文入れましょう。もしも記入欄がない袋であれば、自分で住所や氏名を記入し、その余白に書くようにしましょう。また、表書き・住所・氏名を薄墨で書くため、辞退の旨も薄墨を使用して書くようにしましょう。黒の万年筆やボールペンでもよいでしょう。

「お香典返しはご辞退申し上げます」
「お返しのお心遣いはご遠慮させていただきます」

<一筆箋の書き方・文例>

 一筆箋の場合は、5行程度の文章が入りますので、お悔やみの一文も書き添えましょう。

 宛名・お悔やみ・辞退の意思・差出人の順に書きます。香典袋には折らずに同封しましょう。本来は薄墨で書くのが望ましいですが、黒の万年筆やボールペンでもよいでしょう。

「○○(喪主名)様
心よりお悔やみ申し上げます。
誠に勝手ながら、お香典返しは辞退させていただきます。
△△」

「○○(喪主名)様
ご冥福をお祈りいたします。
尚、お返しのお心遣いは遠慮させていただきます。
ご遺族の今後のために、少しでも役立てていただければと存じます。
△△」

<手紙の書き方・文例>

例えば、遠方に住んでいるなどの理由で、通夜や葬儀、告別式に参列できない場合や、訃報を後から知った場合などに、お悔やみの手紙・お悔やみ状を添えて香典を郵送することがあります。

「この度はお悔やみ申し上げます

本来であればすぐにでも駆けつけてお悔やみを申し上げたいところですが

遠方のためままならず 誠に申し訳ございません

ご遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げますとともに 私も故人のご冥福をお祈りしたいと存じます

些少ながらに心ばかりのものを同封いたしました

ご霊前にお供えいただければ存じます

なお、勝手ながらお返しのご配慮は不要でございます 何卒ご了承ください

まずは略儀ながら書中をもちましてお悔やみを申し上げます」

マナーに寄り添うギフト選びは「Atelier GIFT」で

Atelier GIFTイメージ

 ここまで、香典返しへのお礼をする際の基本的なマナーや手紙や電話、メールでの伝え方について解説してきました。

一般的には、香典返しのお礼は必要ありません。お礼を伝える際は、ご遺族の方へ失礼のないように、マナーに沿って、手元に香典返しが届いたことを連絡しましょう。

香典返しに関するお悩みがございましたら、Atelier GIFTのギフトコンシェルジュにお気軽にご相談ください。「ギフトのプロ」として、長年の知見と丁寧な対応でしっかりとお応えさせていただきます。

Atelier GIFTでは、お通夜やご葬儀でお供えいただいた香典への返礼として贈る「お香典返し」のギフトを豊富にご用意しております。参列してくださった方々へ、感謝の気持ちが伝わる贈り物を選ぶお手伝いをさせていただきます。

香典返しやお礼についてのよくある質問

お客様からよくいただくご質問をご紹介いたします。

Q1:香典返しのとき、どのようなお礼の言葉を言えばいいのでしょうか?

A1:自分が喪家で、香典返しを渡す場合は、「お気遣いいただきまして恐れ入ります。ささやかですが、供養のしるしでございます」、香典返しを受け取る場合は、「お気遣い恐縮です。寂しくなられましたね」というのがよいでしょう。

Q2:香典返しのお返しにお礼は必要ですか?

A2:基本的には、香典返しのお礼はしないのがマナーです。礼に対して礼を返すことになり、相手に対して失礼にあたるためお礼は不要です。どうしても何かしないと失礼なような気がしてしまうのであれば、「香典返しありがとうございます」と感謝を伝えるのではなく、「香典の品が届きました。ご丁寧に恐縮です」と届いたことを伝えるようにすると良いでしょう。

Q3:香典返しはいつ頃にするものなのでしょうか?

A3:香典返しは、通夜・葬儀・告別式などでいただいた「お香典」に対するお礼です。忌明けを迎える四十九日法要の終了後に、いただいた「香典」へのお返しをご自宅に送るのが一般的です。品物とともに、香典の心遣いに対する「感謝」と、四十九日法要を終えて「故人に関する一切の仏事が滞りなく終わりました」という「報告」をしたためたお手紙を一緒に送ります。四十九日法要の終了後2週間から1か月以内に先方に届くように配送します。

Q4:香典返しでタブーなものは?

A4:一般的に肉や魚は「四つの足生臭もの」と呼ばれ昔から避けられているので、香典返しでも避けた方がよいでしょう。そのほかお酒などの嗜好品や、慶事によく使われる鰹節や昆布、お花も香典返しには適しません。香典返しで人気のお菓子も鶴亀やウサギなど縁起物をモチーフにした和菓子や、生クリームを使ったケーキなど日持ちのしないお菓子は避けた方がよいでしょう。

Q5:香典返しをもらったときのお礼の仕方は?

A5:葬儀当日に香典返しをいただいた場合には、お礼の言葉を使わず、「恐れ入ります」や「恐縮です」といった表現に変え、小さな声で感謝をお伝えし、丁寧にお辞儀をします。通夜や告別式では、小さい声で話すのが礼儀です。言葉は控えめなトーンで伝え、お辞儀などの動作を丁寧に行うように心がけましょう。

Q6:香典返しを受け取らないのは失礼ですか?

A6:香典返しの受け取りを辞退することは問題ありませんが、遺族の方へ失礼にならない断り方は必要です。

香典返しへのお礼は手紙や電話で丁寧に

お礼を書く女性

 香典返しは、遺族からの香典のお礼という意味が込められているので、香典返しに対してさらにお礼をする必要はありません。

 しかし、贈り主はちゃんと届いたかどうか不安になることもあるので、受け取ったという報告や挨拶は行った方がよいでしょう。ご紹介した通り、香典返しが届いた報告をする際には、お礼の言葉を直接述べないよう気をつけてください。

 お礼をする際は、手紙やはがきだとより丁寧な印象がありますが、親しい間柄ならメールや電話でも構いません。相手との関係性に合わせた方法で伝えるようにし、なるべく手短に済ますようにしましょう。いずれにせよ、遺族の方への気遣いを第一に考え、行動するようにしましょう。